違国日記 5 (フィールコミックス FCswing) - ヤマシタトモコ違国日記 5
ヤマシタトモコ
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内容紹介
《人生の本棚に入る本》としてあなたの心の奥地に届く物語!
人見知りの小説家(35) と 姉の遺児(15)がおくる手さぐり年の差同居譚
「姉がさ、日記を遺してたの。朝宛だった」
朝の亡き母・実里は日記を遺していた。
20歳になったら渡す、という娘への手紙のような日記を。
槙生にとっては高圧的な姉で、
朝にとっては唯一無二の“母親”だった実里。
彼女は本当は、どんな人生を生きている女性だったのか。
母の日記を槙生が持っていると知った朝はーーー。
槙生と笠町の“新しい関係"もはじまる
ーー扉が開く第5巻。
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去年たまたま寄ったネカフェでヤマシタトモコさんのだし
おすすめコーナーにあるし、ということで4巻まで読んでいました。
おもしろい!
というわけで、5巻も読んでみました。
「書くのはとても孤独な作業だから」って言葉がぐっときました。
主人公が亡くなった姉に言われていた
「人と違うことはしちゃだめ」に対して、
「あなたに自分の考えがなくて人の目が気になるだけでしょ」
「好きなものも、やりたいことも、主義も主張も、自分でつきあって考えることも探究心も
何にもない!あんなに自分の持ちものがなにもないだけ」
「自分の虚無を人に押し付けるな!」
わー。キツイけどこれにあてはまる人多いだろうなあ。自分もそうかも。
そうなりたくはないけど、ひとのめが完全に気にならない人なんてこの世にいるのだろうか。
「誰かを一番に思うっていうのはすごく…大変なことだ、わたしには想像もつかない」
と自称薄情な主人公がいうけども。
「とても悲しいことはあった。けそそれを誰かと共有するつもりはない。
さみしくはない、わたしはね、わたしにとっても自分の感情はとても大事なもので
それを踏み荒らす権利は誰にもない」
「それに誰も絶対にわたしと同じようには悲しくないのだから。誰にも分かち合わない」
「あなたの感じ方はあなただけのもので、誰にも責める権利はない」
ヤマシタトモコさんの作品って、分別のある大人が多いというか
一歩引いて冷静に考えを伝えるような感じが多くて、見ごたえがあります。
なんというか読んでいて、うんうん、って思う。
この巻もよかったなあ。
最後、両親をなくしてしまった朝がようやく泣いて現状を見ることができた。
次巻はどうなっていくんだろう。続きにも期待!